Harper’s BAZAAR 24年9月号 BTS 진/
Harper’s BAZAAR 24年9月号 BTS ジン
ジンはいつでもその場にいる。あなたのために。
テスト撮影では長い指でV字を描き、少年のような笑みを浮かべていた彼が、本格的な画報撮影が始まると、いつの間にか素敵な大人の男の顔に戻る。遊び心と真面目さの間、その両者の間のどこかにジンの本心があるのではと思ったことがある。私の考えが違っていた。どちらもジンだった。
今思えば、ジンはいつも素直な自分を出して見せてくれた。自分のアイデンティティと自尊心に対する悩みを込めた「Epiphany」、ペットを見送った直後の懐かしさと喪失感が漂う「この夜」、バーンアウトを告白する「Abyss」、入隊後、しばらくは一人になるARMYのための別れの挨拶「The Astronaut」。これまで彼が歌ったソロ曲だ。「ソロ曲を制作するときは、こんなことをやってみたら面白そうだな、これは自分に合ってるだろうという思いから出発するんです。どうしても表に出したくないけど、どうにかして表に出る感情を歌にしてみたいという気持ちで曲を書いてるようで、僕の本心が100%伝わるかどうかは分かりませんが。(笑)」
「どう見てもバレたくないのに、どうにかしてバレる感情」、そうだ。どんなに押さえても押さえても、くしゃみのように表に出てしまうものもある。私たちはそれを「本気」と呼ぶ。いわば、ジンは本気じゃないと歌わない人のようだ。軽く作ったけど、チャレンジで旋風を巻き起こした「スーパーマグロ」だって、彼が夢中になっている趣味の釣りを楽しんでいるときに生まれた曲なのだから。
このように自分の感情状態を率直に歌ってきたジンは、最近「幸せ」というキーワードを考える。「僕は最近、本当に幸せです。軍隊にいる間、仕事がとてもやりたかったし、除隊後は毎日毎日仕事をしながら忙しく過ごしてます。今この瞬間も仕事をしてるという事実そのものが幸せで、笑ってるほどです」、作業中というジンの新しいソロ曲は、彼の表現によると「『アイスクリーム』のようです。曲ごとに違うので一概には言えないが、「アイスクリーム」に例えます。ソーダ味もあれば、ポップコーン味、ダークチョコレート味もあります」、要約すると、それは幸せの味だろうか。
先日、ジンはWeverseを通じてデビュー11周年を振り返り、「10年経てば強酸も変わると言いますが、防弾少年団とARMYの愛は変わらないのが本当に不思議です」というメッセージを残した。「すべてARMYのおかげです。僕たちが一生懸命頑張って良い曲を持って来ても、ARMYが『もう飽きた。もう見ないよ』と言ったら途切れるしかないんです。長ければ長い間、変わらない愛を与えてくれたARMYのおかげでこの関係が維持されてると思いますこの場を借りて改めて感謝と愛を伝えます」、そして、ちょうど今と同じくらいの時間が経った後も、まだ自分の場所にいることを約束する。「10年後には休息も大切な年齢になるので、以前ほど活動が活発でないかもしれませんが、それでも僕たちはまだ新曲を出してコンサートをしてると思います。だから、ARMYもたまにストレス発散のために僕たちに会いに来てください」
ジンはARMYがそばにいると「心が安らぐ」と表現したが、ARMYにとってもジンはそんな存在なのだろう。彼が極めて常識的で、善を守る安定型の大人であることは、ファンにとって一種の安心感であり、慰めでもある。しかし、それは生まれつきの気質ではなく、努力の結果だ。それが礼儀だと信じているからだ。「それは簡単な『礼儀』の問題なので、礼儀さえ守れば、つまり基本さえ守れば、ほとんどは僕を好きになってくれると信じてるので、ある意味、生き残るための生存戦略だったとも言えます。努力です。(笑)」、常識的というのは、継続性であり、持続性であり、信頼の別の言葉です。この予測不可能な世界で、時には誰も信じられないような混沌とした関係の中で、彼は天然記念物のようにその場にいる。だからあなたはジンを信じていいのだ。ジンはそこにその場にいるだろう。あなたのために、心から。
Harper’s BAZAAR 「Harper’s BAZAAR」との初めてのカバーであり、グッチのグローバルアンバサダーとしてのスタートを共にする場です。活字に残す初めての感想ですが、いかがですか?
ジン 実は今までとは違うムードの撮影だったので心配もありましたが、撮影を終えてみると、グッチと僕が良い相乗効果を発揮できたような気がしてとても嬉しいです。スタッフの方々もそうですし、現場の雰囲気も良かったので、とても楽しかったです。
グッチというブランドとご自身とのつながりも感じましたか?
グッチが世界中の人々を魅了してきたように、僕も多くのARMYの方々に愛されてきたという点で、つながりがあると思います。やはり、ワールドスターという共通点でしょうか。(笑)
退役して早2、3ヶ月が経ちましたね。民間の生活にどれくらい適応したのか気になりますね。もしかしたら、最高の悪夢である再入隊の夢は見たことはないですか?
まだ再入隊の夢は見たことがないですね。あっ、でも2週間に1回くらいは軍隊の夢を見るような気がして、そのたびにびっくりして目が覚めます。
退役の日にメンバーが出迎えてくれて、サプライズでお祝いもしてくれたそうですが、写真だけでもその日の陽気な雰囲気が伝わってきますね。Weverseのインタビューで「メンバーが(朴を)たくさん羨ましがっていた」と明かしましたが、羨ましがられる立場として、メンバーにどんな励ましの言葉をかけましたか?
愛情を込めた激励と言ってもいいでしょうか?「みんな、時間は経つから焦らないでね」みたいな。(笑)
退役後の最初のスケジュールが、なんと「ハグ会」でした。1000人のARMYを一人一人抱きしめるという前代未聞のイベントでした。ARMYに近距離で会った感想はいかがでしたか?久しぶりですよね。
本当に笑いが止まらなかったです。久しぶりのARMYの皆さんに会うので、緊張して体は震えるのに、顔は笑いが止まらず… 最後には笑いすぎて顔の筋肉がヒリヒリするくらいでした。
何よりも準備中というソロ曲の正体が気になります。実は前作の「Epiphany」、「この夜」、「Abyss」、そして「スーパーマグロ」の間隔があまりにも大きいので、さらに予測が難しい面があります。
他のメンバーのアルバムがそうであるように、僕も自分の話を盛り込んでみました。準備の過程でほとんどの曲の方向性に僕の意見を加え、そうすると結局、僕の話が盛り込まれることになりますね。ネタバレにならない範囲で言えば… 演奏するときは楽しそうです。(笑)
演奏するときに楽しそうって… ソロ曲がどのような味や色なのか、例えることができますか?これも重要なヒントになりそうですね。
曲によって違うのではっきりとは言えませんが、「アイスクリーム」に例えるなら、ソーダ味もあれば、ポップコーン味、ダークチョコ味もあります。楽しみにしていただければと思います。
曲だけでなく、これまでのジーンのソロ曲を見ると、伝えたいことを必ず曲に込めているように思います。「Epiphany」には自分のアイデンティティと自尊心についての悩みが、「この夜」にはペットを亡くした直後の懐かしさと喪失感が込められています。「Abyss」がバーンアウトの告白であったとしたら、「The Astronaut」は、入隊後、しばらく一人になるARMYへの別れの挨拶でした。もしかしたら、本心を伝えるために歌っているんじゃないかと思うくらいです。本心は通じると思いますか?
どうしてもバレたくないけど、どうにかしてバレるような感情を歌にできたらいいな、そういう気持ちで曲を書いてます。僕の気持ちが100%伝わるかどうかはわかりませんが。(笑)
特に自作曲「Abyss」は、普段自分がARMYにあまり表に出さない姿なので、より心に響いたと思います。個人的には「あの闇の中にいる僕を訪ねて話したい/今日はもっと君を知りたい」というフレーズが印象的でした。生きていると「深いところ」、「黒いところ」に行ってみないとわからないことがありますからね。
今まで活動している間、2~3ヶ月くらいはバーンアウト状態だったと思います。いろんな人に答えを求めたんですけど、明確な答えは見つからなかったんですけど、「助けてあげるから、とりあえず音楽で表現してみろ」という周りのアドバイスが役に立ちました。曲を出してからは、ARMYが送ってくれた応援と慰めがすごく大きかったです。「あなたのそばには私たちがいる」という言葉がすごく心に響きました。実際、現場に出るとARMYがそばにいてくれるので、元気をもらえることが多いんです。その時のことを思い出しながら、今も昔も全力を尽くすようになりました。おかげで元気を取り戻すことができたし、精神的にも成長するきっかけになったと思います。辛いことを隠してしまうこともできるし、別の方法で表現することもできますが、僕は歌手なので、歌手らしく歌で表現する方法もあることを学んだんです。
もし2011年春、建国大学の通学路でビッグヒットエンタテインメントの関係者に会わなかったら、今頃どう生きていたと思いますか?
本当に想像がつきませんね。今でもゲームしながら「兄さん… お小遣いちょうだい。キャッシュをチャージしなきゃ」なんて言ってるんじゃないでしょうか。(笑)
私にとってジンは、華やかなポップスターであるジンと、シンプルライフを目指すキム・ソクジン、この2つの人生をうまく生きている人に見えます。この2つのバランスはどのように保たれていますか?
う~ん、休息だと思います。そうでないように見えるかもしれませんが、僕はとても内向的な人なので、普通は気の持ちようと表現します。正直、外ではとてもそういう方なので、家では一人でゲームをしたり、親しい友達とお酒を飲んだりしながら充電します。そうして緩衝した状態で外に出ると、また楽しく仕事をするようになり… 好循環ですね。
たまには、帽子もかぶらず、顔も隠さずにコンビニに行きたくなりませんか?練習生時代のように、地下鉄に乗って家に帰りたくなることもあるでしょうね。
僕は今でも隠さずよく出かけます。帽子もかぶらずに友達とレストランに行ったり、コンビニに行ったり、誰かに見られても損することはないんですけどね、まあ。
一方で、あなたには常識的で、良識があり、常にその場に居座るような安定したイメージもありますよね。常識的というのは予測可能ということで、信頼の裏返しですよね。生まれつきですか、それとも努力の賜物ですか?
それは簡単で、「礼儀」の問題なので、礼儀さえ守れば、つまり基本さえ守れば、大抵の人は僕を好きになってくれると信じてるので、ある意味、生き残るための生存戦略だったとも言えます。努力の賜物です。(笑)
デビュー後、これまで着実にステップアップし、「努力の象徴」と言われることもあります。上達するとは、ご自身にとってどんな意味ですか?
それも先ほど言ったように「礼儀」ですね。もちろん、生まれ持った才能も無視できませんが、たとえ才能の領域で行き詰まっても、そこに到達するまでは努力し続けなければならないと思います。何よりも、僕は今でもこの仕事が楽しいです。安住すれば、1~2年くらいは幸せかもしれませんが、毎日同じ生活が繰り返されると飽きるでしょう。仕事をしてると、毎回新しい状況に直面して、新しい経験をすることができますよね。ある意味、その楽しさのおかげで努力を続けてこられたと思います。