ESQUIRE .202410.HYUNJIN(SZK)
Part1. SZK のヒョンジンが語るソロ曲「So Good」
Q: 活気が溢れていますね。遅い時間に行われるインタビューだから、少し疲れているかと思いましたが。
A: 撮影がうまくいったので気分がいいですね。このくらいの時間なら、そんなに遅い方でもないですし。(インタビューは撮影がすべて終わった後、夜11時頃に始まった。)撮影って、遅く終わることが多いじゃないですか。
Q: そうは言っても、夜間作業を何度も経験しているベテランスタッフもみんな少し疲れていたみたいですよ。撮影の終盤には、あなたのエネルギーが際立っていて、少し違和感を覚えるほどでした。なんというか、夜遅くに酔った友達を連れて帰ってきた父親が、寝ていた息子が一人で興奮している様子を見るような感じで。
A: ハハハ、そうですね。実際、少し“無理やりテンションを上げた”部分もありますよ。みんなが疲れている時に、盛り上げるのはいいことですからね。もうすぐ終わるので、食事に行けると思うと、少しテンションが上がっているのかもしれません。
Q: ストレイキッズのワールドツアー <dominATE> の最後のソウル公演が2日前に終わりましたよね。その余韻かなとも思いました。
A: 確かに、それもありますね。実はワールドツアーが始まるまで、ファンと直接会う機会があまりなかったんです。なので、コンサートで久しぶりに会ったんですが、今回、ステイ(Stray Kidsのファンダム名)がいつもより公演に深く没入して楽しんでくれている感じがしました。それを見て、僕も一緒にテンションが上がって、ステイもそれをまた楽しんでくれて…。だから最近はずっと気分が良いんです。
Q: ワールドツアーというのは、基本的に連続してコンサートを行うものですよね。それも、世界中を回りながら。ずっとプレッシャーを感じているんじゃないかと思ったのですが、合間にエネルギーをもらえるんですね。
A: むしろ、最初のコンサートが一番緊張するんです。僕たちが準備したものを初めて披露する場なので、緊張しますし、スタート地点がソウルだという点も無視できません。でも、ステイが本当に楽しんでくれて、今はむしろ期待している感じです。「ただ楽しんでこよう」という気持ちですね。実際、僕が本当に楽しんでいるステージは、観客からはっきりと伝わるんですよ。久しぶりに会う海外ファンと一緒に盛り上がりたいという気持ちです。プレッシャーがあるとすれば、ワールドツアーが終わるまでその気持ちを維持できるように、コンディション管理をしっかりしなきゃいけないことくらいです。
Q: プレッシャーを感じずに、うまくやるために必要な緊張感だけを持つんですね。
A: 実は、昔は無理してでもなんとかできたんですよね?好きなものを食べて、コンディション面で少し無理をしてもツアーをこなせました。でも、今はもっと体系的に管理しないと難しいかもしれないと感じています。そんなに年が経っていないのに、不思議ですよね(笑)。だから最近は運動も続けていて、食事も気を付けています。
Q: ツアーの完成度や自分に対する期待が高まったのかもしれませんね。1年前の今頃も『エスクァイア』とカルティエの撮影をしましたよね。さっき撮影を見ていて、たった1年なのに雰囲気がかなり変わったなと感じました。去年も確かにセクシーでしたが、今は退廃的な魅力やロックシックな雰囲気がはっきりと出ていました。
A: そうですか?最近、ロックをよく聴いているからかも(笑)。ありがとうございます。実は、それが今の僕が目指している雰囲気なんです。去年の撮影は、コンセプト自体が少しピュアな感じでしたが、今回は僕のカラーがより反映されて、ダークで退廃的な感じがよく出たと思います。
Q: 初めてのグラビアの時は、カルティエのムードを理解して表現しようと努力していたとしたら、コラボを重ねるうちに、今はヒョンジンさんの中でカルティエの既存のイメージをさらに拡張しようとしている段階に入っているように感じましたが。
A: カルティエが考えるブランドのイメージは、どんなブランドでも持っているものだと思いますよね。僕も普段からカルティエが大好きなので、そのスタイルをよりよく理解して合わせようと努力しています。でも、一緒に仕事をしていくうちに、カルティエも僕が目指しているムードを尊重して、好意的に受け入れてくれていると感じました。ありのままの僕を受け入れてくれているという感覚が本当にありがたかったです。だから僕が何かを拡張するというよりは、コラボレーションが次の段階に進んだというのが正確な表現だと思います。お互いのカラーの中で、思い切って大胆な試みをしていると考えています。
Q: 撮影を見ていてもう一つ驚いたのが、体がとても良くなっていたことです。
A: (笑)コンサートを前に体を少し作りました。バルクアップしたわけではなく、有酸素運動とウエイトトレーニングを並行して、筋肉が整理されるようにしました。今日の撮影では特に露出が少しあったので、ファンの中には驚く方もいるかもしれませんが、こういう機会にちょっと違う姿を見せるのもいいかなと思って。喜んでもらえるかなと少し期待しています。
Q: 大きな筋肉も定義がしっかりしていて、運動や食事管理など苦労した体だと感じました。
A: 確かに簡単ではなかったです。時間もなくて、いつも深夜に運動しに行って、早朝には漢江沿いを走っていました。今日も朝に走ってきましたよ。
Q: この時間までこんなに生き生きしているのが、さらに不思議に思えてきますね(笑)。最近、Stray Kidsには良いニュースがたくさんありましたが、その中でヒョンジンさんが一番嬉しかったのは何ですか?
A: 僕ですか…うーん、何よりも僕たちがワールドツアーを回れるように待ってくれているファンの存在に感謝しています。音源やアルバムの成績ももちろん感謝していますが、コンサートは待ってくれる方がいなければ成り立ちませんからね。実は今回のツアーは会場の規模も以前よりかなり大きくなったんです。それにもかかわらず、本当にたくさんの方が応援してくれて、僕はそれが一番嬉しいです。
Q: 5枚連続でビルボード200チャート1位を達成したり、ミラノのアイデイズやロンドンのBSTハイドパーク、シカゴのロラパルーザといった大規模なフェスティバルで全てヘッドライナーを務めたり、アジアアーティストとして初めて『ローリングストーン UK』の表紙を飾ったというニュースもありましたが、ヒョンジンさんにとってはファンが依然としてStray Kidsを待っているということが一番嬉しかったんですね。
A: そういうニュースも本当にありがたいです。でも、そういう記録を聞く時よりも、ステージに立った時に応援してくれて、一緒に踊ってくれる瞬間の方が、もっと心に響くんですよ。その瞬間を待ってくれる方がいると考えると本当にワクワクしますし、それが一番ありがたいことだと思います。僕はパフォーマンスをするのが一番楽しいですから。
Q: 作詞作曲もずっと続けていますよね。その部分で何か誇りを感じていますか?「自分の曲はまさにこんなスタイルだ」という風に。
A: ああ、そんなことはないですよ(笑)。全然、全くないんですけど、それでも最近は歌詞の面では少し誇りを持とうとしています。僕が書く歌詞の感情は僕しか知らないものですからね。ある意味では、僕の歌詞をわざわざ難しく書いていると感じるかもしれませんが、そうやって解釈の余地を残しておく歌詞を書くのが好きなんです。僕自身も誰かの音楽を聴いて、それを自分なりに解釈する時が一番楽しいからです。だから、「スタイル」の面で言うなら、メロディーはイージーリスニングの感じにして、歌詞には深みを持たせることを目指していると言えるかもしれません。それがどれだけ伝わるかはわかりませんが、とりあえず自分が聴いて良いと思うのが一番ですから。
Q: 今回のツアーで披露したソロ曲「So Good」は、ヒョンジンさんの中で一番ポジティブな面を集めて作った曲だと言っていましたね。
A: そうです。僕の中にあるたくさんの側面の中から楽観的な自分を選んで歌詞を書いたんです。「僕を苦しめるものや縛るものがたくさんあるけど、それでも人生は楽しくないか?」ってね。ヒップホップベースですが、リズムをちょっと独特に作り、パフォーマンスの面では観客とのコミュニケーションをより重視しました。本来は音源だけで出すつもりだったんですけど、やっているうちにこの曲でステージにも立ってみたくなったんです。だから曲の長さも細かく調整して、ダンスブレイクを入れて、起承転結が感じられるようにトラックを調整してもらって仕上げたんです。
Q: メインパートが非常に印象に残る曲ですよね。「Life is so good!」って、まるで炭酸飲料のCMみたいに爽快感があります。
A: そうなんです。その部分で曲のテーマになる感情を観客にも直接感じてもらいたかったんです。ツアーでずっと歌うので、いずれはファンも一緒に叫んでくれたらシナジーがもっと生まれるんじゃないかと期待しています。
Q: ステージの直カメラ映像がすでに話題になっていますね。僕も見ながら、やっぱりヒョンジンさんはステージでの表現力や伝達力が最高だなと思いました。直カメラでもこんなに素敵なので、公式のビデオを作る計画はないんですか?
A: 僕も作りたいです。できればステージでの感じをそのまま移す形で。ダンス練習映像も良いんですが、僕はステージ上の自分が大好きなんです。そのまま撮れたらいいなと思っています。この曲にはそれが合っている気がしますし、僕はステージの合間に即興で踊りを変えたりもするので、その現場感を映してみたいですね。
Q: ああ、それを想像して今鳥肌が立ちました。そんな生(raw)の演出の中で、このステージを作ったヒョンジンの実際の人生と「Life is so good」というメッセージがぴったり重なる面がありそうですね。
A: そうです。生(raw)な感じで。かっこよく編集せずに、ワンテイクだったり、生の感じで撮れたらいいなと思っています。
Part2. ヒョンジンは、ファンとの出会いの後に寂しさと達成感を同時に感じながら眠りにつくと言いました。
Q :昔のインタビューを見ていて、印象に残った点がありました。多くの人がヒョンジンのダンススキルを称賛していますが、ヒョンジンは実際には自分がステージ上で「トン」とインパクトを与える役割だと考えているとおっしゃっていました。私はそれが「自己演出」についての話だと感じました。
A : 私はダンスに対する熱意よりも、ステージに対する熱意の方が大きい人間だと思います。ダンスが上手であることは基本ですが、その中で自分だけのものを作り、見せるために悩み、研究し、ステージで実現していくプロセスにもっと興味を持っています。それらを通じて今の私ができたと感じています。何かに没頭し、特定のキャラクターを作り、それを演じる…実際、私が追求している感覚は普通ではないので、少し過剰に見えるかもしれないことも理解しています。しかし、最近はそれでも、自分がやりたいことをすることが重要だと感じています。自分のものを持つことが大切ですからね。こうして続けていくうちに、スタイルを上手く育てれば、自然と大衆的な側面も生まれるのではないかとも思っています。だから最近は本当に自分の思い通りにやっています。(笑)
Q: それが気になっていました。『Chk Chk Boom』の活動時、ヒョンジンさんのスタイルは非常に独特でしたよね。ヒョンジンさんでなければ、あのスタイルを誰が消化できたのかと思うほどです。それはヒョンジンさんの選択だったのですか?
A: ああ、それは私が衣装をお願いしたんです。『Chk Chk Boom』という曲の中で、どうしてもやりたい雰囲気が浮かんできたんですが、いくら探しても私が考えた感じのデザインがなかったんです。だから、iPadで絵を描いて、担当者に送りました。自分の写真を貼り付けて、その上に赤いカーディガン、タイトなレザーパンツ、だらっとした感じ、独特な赤いサングラスなどを表現したんです。幸い、スタイリストの方々がよく理解してくださり、完成させてくれて、タイミングも良かったので実現しました。今回はスタイルの面でも結構意欲的に取り組んでいました。
Q: 前回のインタビューで、ヒョンジンさんは絵を描くこととミュージシャンとしての活動は完全に別物だと言っていましたね。過剰な意味付けかもしれませんが、その別々の強い愛情がある瞬間に意図せずつながることがあるようです。
A: おっしゃる通り、意図したわけでは全くないですが、今回はただ私がうまくやりたいことを全力で頑張った結果、運良くうまく合ったという感じです。今も特に好きなものを結びつけようとは考えていません。ただ、自分の音楽のカバーを自分で描く程度です。それくらいですね。
Q: 意図的に接点を作ることはしませんが、接点ができたらそれを避けるわけではないんですね。
A: 実際、私の中では創作というのは領域ごとに分かれているわけではないので、ある程度はすべてつながっていると思っています。絵を鑑賞する際にその中にテキストがあることがあるじゃないですか。作家がその絵を通して表現したいこと。絵を見ながら本を読んでいるような感覚になるのもそのためです。だから、私はそれらを音楽に落とし込もうとしたり、逆に誰かが言ったことを美術に応用してみたりします。どういうわけか、それはすべて一人の人生から生まれるものだからです。「キャンバスの中の絵は、描いた人の人生を反映している」と考えながら、絵がより好きになりました。人生の勉強をしているような感覚です。
Q: 忙しい中でも時々絵を描いてInstagramにアップしていますね。実際、絵画のような創作は1時間与えられたからといって1時間分だけ作業できるわけではありませんよね。作業できる状態で、一種の没入する時間が必要ですよね。
A: (笑) そうですね。だから、構想画をたくさん描くんです。そういう意味ではずっと楽ですから。私の職業がアイドルなので、抽象的な作品を出すことに対して負担や恐れを感じることもあります。だから、抽象作品を作る方々をより一層尊敬するようになりました。人々が理解しようと理解しなかろうと、自分が感じたものを最も適した形で表現するというのは、やはり大きな勇気が必要なことですから。時々、作品を見ながら大きな拍手を送りたい気持ちが湧いてきます。私はそれができないので、ずっと構想画の研究をしていますが、いつかもう少し絵を勉強してから抽象画もたくさん描いてみたいという欲があります。
Q: Instagramのフィードを見ると、最近は少し抽象的な作品も目立ちますね。
A: 少しずつやってみています。
Q: 1年前にも「アイドルとして抽象画の作品を発表することへの世間の視線が怖い」とお話ししていました。そのため、Instagramを見ながら「怖がっていても、一歩ずつ進んでいる人なんだな」と一人でほっこりしていました。
A: その考えは変わっていないと思います。今でも怖いです。でも、好きなので少しずつ近づこうとしているんです。最近は絵において少しずつ省略する部分を考えています。花が挿してあるグラスを描くとしたら、以前は全て表現したいと思っていました。グラスを完璧に表現する方法や花のディテールなど、自分の絵のスキルを見せたかったんです。今はそれを諦めて、絵にもっと焦点を当てる方法を考えているのですが、実際には思ったほど簡単ではありません。埋めるよりも、引き算する方が難しいと感じています。
Q: 絵の投稿のコメント欄を閉じることも、恐れの現れですか?
A: それは揺れたくないからです。ポジティブな意見をくださる方も多いですが、その意見をもとに自分の色を決めたくはないんです。フィードバックを受け入れるよりも、自分の中で何かを探求し、自分の個性を見つけていく時期だと思っています。また、アーティストの方々に迷惑をかけたくないという気持ちもあります。結局、私を愛してくれる方々は私の作品も愛してくれると思うんです。でも、ポジティブなフィードバックだけが満載なのは、本当に職業としてアートを選んだ方々には不便かもしれないですよね。
Q:非常に慎重な方ですね。
A: そうですね、私の気持ちです。尊敬するアーティストの作品を見ていると、そこに迷惑をかけるようなことは絶対にしたくないんです。本当にアートに真剣に向き合っているので、その真剣さが間違った形で伝わってしまうと、誰かに迷惑をかけることになるかもしれませんから。
Q:夜の11時が早い時間だとは思えないほど忙しいのに、絵を描いたり、運動をしたり、さらにファンとのライブ配信でコミュニケーションをとったりしていますね。
A: それは私がしたいからやっているんです。周りに話し相手がそれほど多くないので。主にストレイキッズのメンバーとよく会話をするんですが、遅い時間にはメンバーに電話をかけるのも気が引けますから。それで、ライブ配信を始めてファンとおしゃべりをするんです。終わらせなければならないときには、むしろ私が一番寂しくなります。(笑)
Q:最近のライブ配信では、終わる際にファンに「ライブが終わったら何を考えますか?」と尋ねていましたね。
A: はい。続けたい気持ちがあるけれど、やっぱり寝る必要がありますからね。配信を終えるのは寂しいですが、実際に配信が切れると心がぽっかり空いてしまいます。ファンもそう感じているのではないかと思い、尋ねてみたんです。すると、彼らも配信が終わるととても静かになると言っていました。それで、少し考えてみました。終わりの頃に、何かを鉛筆で描くASMRのようなことをすればどうだろうと。そうすれば、少し落ち着いて、心の空虚感も和らぐのではないかと思いますし、運が良ければそのまま配信をつけたまま眠ってしまうこともできるかもしれません。いろいろなことを試してみようと思っています。
Q:ああ、こうした深いファンへの愛情を聞くのは初めてかもしれません。
A: (笑)普段からファンの皆さんを大切にしている方だとは思うのですが、今回のコンサートを通じて特に多くのことを感じました。会場でファンの目を見ていると、どれだけ私を好きでいてくれているか、どれだけ大切に思ってくれているかが伝わってきます。久しぶりにその感情を大きく感じたので、ついライブ配信を続けたくなったのかもしれません。言葉で説明するのは難しいですが、配信が終わった後、少し空虚な気持ちになる一方で、とても満足感もあるんです。「ファンたちと楽しい時間を過ごしたな」と感じながら、近くなった気持ちを抱えて眠りにつくことができています。