YouTubeの撮影が始まるのを待っている間、席で口笛を吹いていました。

あっ、習慣です、口笛を吹くのが好きなので。フランク・オーシャンの曲でした。

最近はどんなことを考えながら過ごしていますか?まだ本をたくさん読んでいるのか?

読もうと思ってはいるのですが、以前ほど読書に集中してるわけではありません。でも、本を読まないといけないと思ったら本屋に行きます。一番最初に目に入った本をその場で読むのが一番いいんです。せっかく買った本はあまり読まないんですよね。

すべての読書家のジレンマですね。(笑) 去年の9月に参加した2025 S/Sショーの開始前に、ドナテッラ・ヴェルサーチはファッションが果たすべき役割として「ポジティブ(Positivity)」と「高揚感(Spirits Up)」について言及しました。ヒョンジンもそのようなファッションの純機能を感じますか?

そうですね、ファッションが好きなこともあって、特徴的な一つのイメージで僕を連想させてくれることに喜びを感じます。きれいな服を着るというのは、掃除と似たようなところがあると思うんです。自分の空間が散らかっていると気分が悪くなるし、放置しておくとずっとその状態であるように、いつも着ているスタイルだけを探せば、自分の気分もそのままになるしかないので、スタイリングは僕の気分に多様性を与えることができる要素の一つです。

ショーの音楽もよく聴きますね。ヴェルサーチのショーのプレイリストを作るとしたら、どんな曲を入れたいですか?

「The Great Gatsby」のOSTであるラナ・デル・レイの「Young and Beautiful、エレガントで壮大なヴェルサーチの魅力を最大限に引き出す演出にこの曲が入ると素敵だと思います。

ヒョンジンも人にエネルギーを与えていますよね。最近、エネルギーをうまくやりとりしたと感じた瞬間があれば教えてください。

相互作用はどんな関係にも存在します。デビュー後、時間が経つにつれてファンと打ち解けて、「STAY」が周りの人のように感じることもあります。特に僕が何をしても良いエネルギーを与えてくれる存在なので、その愛を僕も享受しないわけにはいきません。

ミラノにもSTAYが多くて心強いという映像を思い出しました。(笑)

そうですね、昔は緊張したこともあったんですけど、STAYが目の前にいると思うと、何事も自信を持ってやれますね。心配がなくなります!

ミラノはライブだけでなく、音楽フェス「I-Days」のヘッドライナーでメンバーと一緒に訪れたこともあります。公演後にメンバーと過ごした時間を収めたコンテンツも印象に残っています。メンバーとの関係性から学んだことは何ですか?

人との接し方そのもの、友情や愛、所属感、絆… すべてを学びました。Stray Kidsは、僕たちが人生を賭けて一緒にやってるわけですから、お互いにたくさん学び、刺激を受けます。人生でメンバーがいなかったら、どうしたらいいのかわからないと思うくらいです。

一緒に長く歩んでいくことを公言したりもしましたし。

今年一番温かかった瞬間のひとつだと思います。「再契約」という言葉自体は、温かさとは少しかけ離れたものですが。(笑) 一緒に夢を育ててきたチームなので、僕たちの底力とファンの大切さをメンバーは誰よりもよく知ってます。再契約という過程をみんな同じ気持ちでやり遂げたのを見て、メンバーとのつながりの暖かさを感じました。

ツアー「dominATE」も真っ最中です。早いもので3回目の大規模なワールドツアーですが、ステージ上でご自身が感じる変化は?

今年は意識的に他のアーティストの公演をたくさん見に行きました。K-POPアーティストだけでなく、小劇場規模の公演もよく見に行き、ファンとの呼吸法やライブのやり方を学びました。その経験が少し影響してるのかなと思います。マインドセットも変わりました。失敗も何もかもが思い出になることを知りました。今まで以上に楽しくツアーをしてます。

長期間疲れないようにするには、エネルギーを注ぎ続けなければなりませんね。スタジアム規模の公演も多いです。

僕はステージが大好きで、他の国をこんなにたくさん経験できること自体もなかなかないのに、自分の大好きな公演もできるなんて、本当に「欠点がない」と思います。こんなに幸せでいいんだ!って思えるのがツアーなんです。もちろん、体力的に大変な時もありますが。

10曲を収録した日本正規2枚目のアルバム「Giant」も11月13日に発売されましたね。いつ準備する時間があったのか驚きです。

1年9ヶ月ぶりの日本正規アルバムでもありますし、日本のファンもたくさん愛してくれてるので楽しみです。初めて日本でドームツアーをしたときのパワーが忘れられないので。

2024年、これは私が「ATE」と感じた瞬間です。

まだありませんが、韓国でも新曲を発表する予定ですし、何よりも年末のステージがありますよね。今回も手ごたえのあるステージをお見せできるよう、しっかり準備する予定です。

どんな記録が生まれるか楽しみです。(笑) 今年はボーカルの練習もたくさんしたそうですが、その理由は。

もっと上手くなりたいという気持ちもありますが、長くこの仕事を続けたいからです。長く続けるには、何事も基礎がしっかりしていないといけませんよね。曲を書いたり、歌ったり、ステージをすることは、僕が一生かけてやりたいことなので、まだまだ研究して勉強してる最中です。

それでも「ファン・ヒョンジン」というと、パフォーマンス的な面をまだ期待されますよね。どうですか?反転した姿を見せたいですか?

ボーカルと発声の練習は将来を準備するもので、今はパフォーマンスに重点を置くのが正しいと思います。上手いと言われ続けたいという欲求も相変わらずあります。最近、僕がこの仕事に合ってると思うようになったのは、K-POPアーティストはフィードバックを受け続けるしかないじゃないですか。でも、そのフィードバックが肯定的なものであろうと批判的なものであろうと、僕はそれを受け入れて、それをブレーキにするんです。どんな刺激も僕にとって傷というよりは栄養になります。

ファンが聞いたら安心しそうな話ですね。

これからもずっとうまくやっていけるという確信が持てます。おかげで最近、内面がとても平和です。

個人的なv-log「Hyun.e’s Holiday」シリーズを見ると、日常の小さな楽しみも一生懸命楽しもうとしているのが伝わってきます。

本当に一人で遊ぶのが得意なんです!人と話したり、一緒に時間を過ごすのももちろんいいですが、一人でできることは無限大です。趣味もたくさんありますしね。

完全に一人でいられる時間は少ないですけど。

それでも隙間時間にやってます。以前は、幸せは努力すれば勝手にやってくるものだと思ってたのですが、幸せは僕が意図的に探さなければならないものだと思います。必要であれば、時間やお金、体力を使ってでも手に入れなければならないのが幸せだと思うので、それに関しては惜しみなく投資してます。今日は何をしようか、映画を観ようか、絵を描こうか、この前のギターレッスンで習ったことを練習しようか、本屋に行こうか?昨日はお花屋さんで花をたくさん買いました。

昨日、公演を終えて帰国したじゃないですか。(笑)

たまたま珍しい品種を売ってる花屋を見つけたので、韓国に着いたらすぐに行きました。花も買って、鉢も買って、花を飾るガラス瓶も買って、天気も良くて本当に幸せでした。

展示を見つけたら図録も必ず買うと言ってました。その間に溜まった図録の中からよく取り出すのは。

図録を買う理由は、展示が記憶から揮発するのを防ぐためと、模写もしたいからです。一番好きなのはやっぱりモネですが、よく取り出すのはエゴン・シーレです。僕は絵もきれいなものが好きなんですけど、不思議と手が伸びてしまうんです。いつかは今のように美術をするのではなく、アートをやってみたいと思ってます。

ヒョンジンにとって「美術」と「アート」はどう違うのか。

う~ん、ただ自分が好きで描くのは美術です。自分の世界や自分の意思を表現しようとするのは芸術です。まだ誰かにやってみたいと言ったことも、やってみようとしたこともないんですけど、いつか自分の中にあるものを吐き出してみたいです。そんな勇気があるかどうかはわかりませんが。

モネが好きな理由は。

印象派の始祖じゃないですか。「印象、日の出」は最初に出品したときに酷評されたんですよ。僕は、始める勇気を持った人に影響を受けるんです。実際はグレーでも、自分の目にはピンクに見えるなら、そう描けること。「僕もそういう人になろう」という気持ちですね。僕は勇気がないので、そういう試み自体が素敵に感じるんです。

自分自身が勇気のない人のように感じますか?

視線から完全に自由にはなれないので。でも、たくさんの勇気を出してます。今この瞬間も!

v-logで見せた泳ぐ姿は、慣れていてリラックスしているように見えました。水の中にいるとき、どのような感情を感じますか?

普段もノイズキャンセリング機能をよく使うんですけど、水中に入ると自然と何も聞こえなくなるじゃないですか。それがすごくいいんです。思考の整理もうまくいくので、デビュー当初は泳ぎながら歌詞を覚えたりもしました。現実から抜け出せるし、体力もつくし、ツアーと同じように、水泳も欠点がないように思います。

「これをやれば私は必ず幸せになれる!」という仕掛けがたくさんありますね。

そうですね、それが僕の人生の原動力です。