Harper’s BAZAAR 25年6月号 Stray Kids スンミン

 

Harper’s BAZAAR 今日の撮影はいかがでしたか?一日中雨が降ったり止んだりするような悪天候でしたが。

スンミン 撮影を始める時は雨が多く心配しましたが、途中で嘘のように晴れたので、今日の撮影はまるで運命のように感じました。何よりも撮影場所が気に入りました。実は最近、僕のスマホの壁紙がまさにこのような風景写真なんです。(スマホの画面を見せながら) アルプスの山麓の下で牛が走り回る… そのような開放的な空間で一日中じっとして動物たちを眺めながらビールを飲みたいと思ってたのですが、今日はちょうど僕の好きな背景が目の前にパノラマのように広がって、とても不思議でした。しかもバーバリーと一緒なので、普段からバーバリーのアウトドアウェアをよく着てたので、トレンチコートはもちろん、僕がデビューしてから初めて買った高級品もバーバリーのカードケースでした。

 

Stray Kidsのメインボーカルですね。これまでの活動を見ると、歌に本気であることがよくわかりますね。デビューしてから今まで一度も休むことなく、ずっとボーカルレッスンを受けていると聞きましたが、最近は何を練習していますか?

初めて歌を習うときは、計算をするといいますか。歌詞用紙があれば、息継ぎまでチェックし、この部分ではどう歌うべきか、あの部分ではこういう感情を入れるべきか…. そうやって練習してました。最近はそんな記録はなく、自分の中で磨いたものをもとに自分なりの解釈をしようと努力してます。「歌が上手い」よりも「何かが違う」と褒められると、もっと嬉しいと思います。

 

ボーカリストとして自分のスタイルをどのように定義したいですか?

抽象的ですが、僕が最近追求してるのは、感情という湖に歌という小さな石で水しぶきをかけたとき、その歌が終わるまで水しぶきが続くことです。その穏やかな波紋が聴衆にそのまま伝わればいいと思います。そのため、感情の表現も以前より自由になるよう努力してます。悲しいときは泣いて、怒るときは怒って…. もともとすごく我慢強い性格だったので、よく気づいてくれるファンがいるのを見ると、そんな僕の変化が少しずつ歌にも表れてきているんだと思います。

 

良い歌手になる上で、才能と努力はそれぞれどの程度影響しますか?

才能10、努力90だと思います。年を重ねるにつれて、歌手の姿勢が歌とどれだけ結びついてるかを実感してます。僕が何も考えずに歌うと、聞く人も何も感じないんですよ。

 

今のスンミンも1割の才能と9割の努力でできたんですか?

僕はプラス、(笑) ほぼ才能5、努力95くらいというか、僕は1日だけ練習を休んでもすぐに分かるので、最初にチームに入った時はメインボーカルでもなかったし、小さい頃も歌で人の前に立った記憶がないんですよ。よく有名な歌手は子供の頃から特別に歌が上手でオーディションに出たり、 学芸会で目立ってたという逸話がありますが、僕はただ好きなだけ聴いて好きなだけ努力してここまで来ました。ミューズを聴きながら漠然とバンドボーカルを夢見てましたが、キム・ドンリョル先輩を聴きながら文字通り胸が熱くなるということが何なのかを知りました。練習が本当に良いのは、壁に直面して一つ一つその壁を乗り越えたときの誇らしさがあるからです。実戦で毎回良い結果を出すことはできませんが、練習を通じて自分なりの確率を上げていくのです。

 

ミューズとキム・ドンリョルとは、アナログな感性ですね。(笑)

僕は本当に遅い方で、スマホにはTikTokもないし、ショーツもあまり見ないし、新しいものより古いものが好きで、世の中は速すぎると思うんです。翻訳だけでもAIに任せればあっという間ですよね。もちろん効率的なシステムですが、僕はそれよりも真正性を求める方だと思います。

 

だから日記も書くんですか?

2017年から練習日誌を書きました。当時は今日何を学び、明日何を学ぶべきかを機械的に書いてましたが、今は習慣になったみたいで、最近は日記に自分の感情を書いていきます。どんなにくだらない内容でも、後で見返すとその頃の記憶が鮮明に思い浮かび、役に立ちます。スマホのメモ帳を活用してもいいのですが、紙とペンにこだわるんです。日記を書く時間が毎晩、机に座って5分でも自分の心を覗く機会なので、「今日は書きたくない。ただ寝る」と書いても、どんなに疲れていても2行でも必ず書いて寝ます。

 

昨日の日記の一節を聞かせてください。(笑)

「明日はとても大事な日なので、パックをしたし、今はとても眠いけど、こうしてペンを持っている」から始まるんですよ。

 

私は最近聴いている音楽がその人についてかなり多くのことを説明してくれると信じています。だから最近のスンミンのプレイリストが気になります。

僕はもともと1つの曲にハマると、飽きるまで、いや、感情が尽きるまでその曲しか聴かないので、僕のプレイリストはいつも短くて簡潔です。最近はアリアナ・グランデの「Twilight Zone」という曲を1週間以上聴いてます。僕はもともと想像力に弱いタイプで、MBTIが直観型(N)ではなく感覚型(S)なので、この曲は想像力を働かせる曲なので不思議です。

 

安定追求型?Stray Kidsのメンバーによると、スンミンは1つに夢中になると最後まで行くタイプだそうです。

不安に耐えられない方で、安定が最高です。(笑) 野球でも歌でも1つに夢中になると、嫌になることなくずっと続きます。人間関係もそうです。一度縁があれば、その人と最後まで関係を持ちたいです。今、僕の親友も小中高校時代の友達で、義理を除けば死体です。(笑) 僕は一度そばにいる人は絶対に裏切らないです。

 

誰もが10代の頃に好きだったバンドのTシャツを着ているそうです。つまり、人は10代、20代の頃に聴いた音楽で一生を生きるということですね。後で振り返ってみると、どんな曲が自分のテーマ曲になると思いますか?

僕が作った「そう、ゆっくり、僕たち」ではないかと思います。僕の20代を一番よく表現してる曲だと思います。他の曲を選びたいのですが、この曲は僕にとって特別な意味があるので、何よりも歌詞を本当に苦労して書いたので、認められたい、認めたくない瞬間の自分の姿を出すのがとても難しかったので、その分、僕を込めた曲です。この曲のミュージックビデオの画面比率が16対9ではなく、4対3である理由も、幼少期の僕の実話を基にしたからです。

 

この曲の冒頭の「うまくやろうとして / 前ばかり見て走っていたら、転んでしまい、結局は遅れをとってしまった / どうして僕だけなんだろう」という歌詞が、本人にとっては「認められたい、認めたくない」瞬間だったんでしょうね。

誰にでもあることでしょう。口に出すのが難しい言葉、心に留めておいた感情、自分だけが知ってる話。当時の僕の考えや感情を率直に歌詞に込めました。一人だけの成長物語だと思って通り過ぎたかもしれませんが、一度勇気を出してみました。僕も皆さんと同じようなことを考えてましたし、皆さんも僕と同じようなことを考えてると言って慰めてあげたかったからです。

 

音楽が日常で、日常が音楽だと思う方ですか?それとも、ステージの外に本当の人生があると思う方ですか?今日の会話から推測すると、スンミンというボーカリストは前者に該当すると思います。

ステージの外で音楽に接した気持ちをステージの上でまっすぐに表現したいと思ってます。必ずしも音楽でなくても、僕が好きな日常を生きることも、音楽に対する私の気持ちをより豊かに増幅させることだと信じてます。僕は自分の音楽とあまり違う人生を送りたいとは思いません。歌手スンミンは歌手スンミンであり、人間スンミンだと思います。