GQ 24年9月号 TREASURE
チェ・ヒョンソク CHOI HYUN SUK
TREASUREの10人を率いる2人のリーダーの一人として、ディレクションをするときに一番よく言う言葉は何ですか?
いいぞ、よくやってるぞ、So Close!、センスよく、好きなようにやれ、クレイジー。僕もブースの中でレコーディングをする人間として、その中の緊張感は本当に言葉では言い表せないものだと思います。最初のステージに立つよりも緊張するし、最初の月末の評価よりも緊張するんです。
毎回?
毎回、それをよく知ってるので、メンバーにブースももう一つのステージだと思ってもらえるような言い方をしてます。
その言葉が結局は自分が聞きたい言葉でもあるんですよね?
そうですね、メンバーを見ると、特に「お前がやりたいようにやれ」と言ったときに (実力が) 一番出るんですよ。
ヒョンソクさんは、六角形のアーティストを目指すとおっしゃっていましたが、その目標に向けて、より充実させたい頂点は何ですか?
幸せです。僕が自分を見る立場は常に客観的で冷静でなければならないのですが、目標は常に高くなければならないと思うし、目標がその人の器を決めるとも言われてます。だから、できるだけ大きく遠くを目指したのが六角形のアーティストです。実力は実力通り、センスはセンス通り、それは自分が役割を育てていけばいいと思って、自分自身をケアし、自分の中に幸せがあることを思い出しながら、自分を守れる自分になりたいです。明るい日差しを見る自分になりたいです。
詩的ですね、明るい日差しを見る自分になりたい。
僕は実は雨が好きなのですが、他の人と同じように日光を見るのが好きな日が来たらいいなと思ってます。僕が知らなかったその幸せも、一度くらいは明るく迎え入れることができる自分になりたいです。
面白い幸せ論ですね。自分があまり好きでないものでも抱きしめたい、それが幸せになっていくということですよね。
そうですね。何でも自分のものにすればいいんじゃないか、何かを否定的に見るよりも。
ジフン JIHOON
最近も展示会観覧が趣味ですか?
そうですね。美意識を高めたいという個人的な願望もありますし、有能な方々がいつもそばにいてくれるので、自分自身もよく知っていれば、より相乗効果が出ると思うので、よく展覧会を見に行きます。
最近、印象に残っている美意識があれば?
バンクシーの展覧会ですが、「Festival」という作品を思い出しました。パンクやゴスのような反社会的なライフスタイルを支持する人たちがフェスティバルのグッズを買うために列を作って並んでいる、いわゆる矛盾した姿を描いた作品で、印象的でした。個人的にはバンクシーと展覧会という言葉が並んでるのがちょっと不自然に思えたので、どうなんだろうと思って行ってみたんです。やっぱり決まった答えはないですね。
ある展覧会でジフンさんが言った言葉が印象的だったのですが、「人によって見たり感じたりするものが違うから、そういう考え方ができるんだ」と言ったのが今と重なりますね。作品を見て誰がどのような意見を言おうとね。
そうですね、展示であれ映画であれ、インスピレーションを与える媒体は人それぞれで、どう受け止めるかは個人の自由ですよね。僕も最初は考えが閉じ込められてたような気がするんですけど、視野が広がれば広がるほど、いろんな角度から見るようになりました。小さい頃、兄はテコンドーの道場に通ってたんですけど、僕は美術の教室に通って、ヴァイオリンの教室に通って、家に帰ってきてヴァイオリンの弓に松脂を塗って。僕もテコンドーを習いたいのに、なんで僕はこんなことしなきゃいけないのかって母に言っていたんですけど。(笑) 今になってわかったんです。幼い頃、落ち着いてた兄と違って、僕は一箇所に座ってるのが苦手だったそうです。デザインをされていた母の目には、僕の中に芸術の才能が見えたそうです。その時の経験が今、すごく役に立ってると思います。僕がいざやってみると、また楽しく学べるんです。
ヨシ YOSHI
映画「キングコング」を見て、新曲「KING KONG」に「君が望んだ通りに上がって頂点」という歌詞を残しましたね。インスピレーションとしてメモしている映画のシーンがあれば?
スタンリー・キューブリック監督がすごく好きで、映画の舞台裏や撮影方法を調べるのがすごく好きなのですが、映画を共有してる友達がヒョンソク兄さんと(ア)サヒです。サヒが1996年に公開された「ロミオとジュリエット」を見るように勧めてくれて観たのですが、叶わない愛なのにその愛を優先して動く、まるで人間の本質みたいな面が見えて本当に面白かったです。そこでロミオにジュリエットが「私はあなたが要求する前に私の愛をすでに与えてしまった」と言うシーンがとてもロマンチックで美しいので、一時停止までしてもう一度見返しました。僕も詩集が好きで、文章を上手に書く人が好きなのですが、すごくロマンチックじゃないですか?もらってもらう前に僕が先にあげたっていうのが。
詩が好きなんですね。
練習生の時にソン・ミンホ先輩に「兄さん、どこからインスピレーションを得て持ってくるんですか」と聞いたら、詩集をよく読むと言われたので、「僕も詩集を買ってみようかな」と思って読み始めたんですけど、いいですね。
ヨシのやり方で、愛という言葉を使わずに愛を語ってみたら?
あっ、こういう表現があるんですよ。初めて聞いたとき、これが愛だと感じました。You Make Me Happy. You Make Me Happy. あなたが私を幸せにする。僕が考える愛に一番近いです。
ヨシさんは韓国語でしか表現できない感性があると、日本語の代わりに韓国語で歌詞を書いているじゃないですか。難しくて下線を引いた文章はありますか?
レナード・コーエンの「私の詩」という詩があるんです。初めて買った詩集を初めて開いたときに見たページにこの詩があったんです。当時はその言葉が少し難しくて、とても素敵な文章だと思いました。まだ覚えてます。「でも、どんなに頑張っても眠れないときは、詩を書くことを学んだ、まさに今日のような夜、私のような誰かが読むかもしれないこのような詩のために」
ジュンギュ JUNKYU
高校生の頃から音楽を作り続けていて、1年前くらいには作業フォルダに300曲くらいあると言っていたのですが、その間にどれくらい増えましたか?
数えてないからわからないんですけど、文字通り昔は作業量が多かったんです。でも最近は少し変わってきて、量より質を高めようと思って、一曲一曲をできるだけクオリティー高くしようと思ってるので、たぶん昔より量は減ったと思うんですけど、質的に成長することに集中しようと思ってます。
そうですね、量が大事じゃないんですね。
そうですね。それでフォーカスを変えて、去年から1年間はそうやって作業してます。
作業フォルダの名前は何ですか?
ただの「作業」、「作業」、これだけ書いてあります。
ストレートですね。
中に入ったらいろいろと、もし僕が思うにちょっと物足りない出来栄えだったら「ㅠㅠ」と書いておいたり、フォルダの中に入ったら細かく定型通りにタイトルをつけてますが、全体のフォルダ名は「作業」です。(笑)
ジュンギュさんが残してきた記録の中で、一番多く繰り返される言葉は「夢」だったようです。
そうですね、夢という言葉が好きなんです。幸せを夢見る人。
その幸せってなんですか?
明日が楽しみな人。
作業フォルダも夢のかけらなんでしょうね。そのいろんなかけらがひとつになるところを表現するとしたら?
確かに明るい色だと思います。希望的です、希望的でポジティブ。そう願ってるからそうなるんだと思います。ポジティブに考えないと明日がないから。
明日を待ちながら、昨日のジュンギュと今日のジュンギュの間で変わったことはありますか?
何が変わったんだろう。僕はいつも「あきらめないで」と自分に言ってるんですけど、昔も今もそのマインドは変わらないので、大きく見れば変わらないと思います。だから明日が楽しみです。昨日も今日も、何事もあきらめずにやれば、明日はまた新しいものになるから。
ユン・ジェヒョク YOON JAE HYUK
生粋のハンファファンであるジェヒョクさん、今の自分を野球の試合状況に例えると?
5回表だと思います。
どういう意味ですか?
野球には試合を始める先発投手がいるのですが、僕が思うに、野球はだいたい5回か6回くらいで先発投手を交代するんです。投手を交代すべきかどうか、今までやってきたことに変化を試すべきか、それともそのままやるべきか、迷う時期だと思うんです。
その試合の相手は誰なんですか?勝機を作るにはどうすればいいんですか、じゃあ?
相手も自分自身だと思うんです。自分に勝つためには、でも自分が自信を持ってる部分は、絶対に後悔しないようにと自分自身に言い聞かせたことなので、僕は自分を信じてるので、どんな方向でも今までやってきたことを磨いて頑張ればいいんじゃないでしょうか?
数年前、あるいは数年後の自分に伝えたいことを聞かれたとき、「10年後のジェヒョク、元気か」と挨拶をしました。10年前のジェヒョクを思い出すと、今のジェヒョクはどうですか?
世の中を見る目が少し変わったと思います。以前は誰にでも細心の注意を払い、配慮しようと思ってたのに対し、今は自分の周りの大切な人にもっと多くの関心と献身を払うようになりました。そのような変化は、僕にとってより大きな意味と幸せを与えてくれると思います。
それは世界を見る幅が多少狭くなったということでしょうか?
近い間だからこそ、二度、三度、慎重に考え、行動し、言おうとする面では、より広がったと思います。
アサヒ ASAHI
最後にフィルムカメラに収めた瞬間はどんなシーンですか?
メンバーと焼肉屋さんで撮った写真です。楽しい瞬間だったので、写真に残しました。
今日もそうですが、実はいつもフィルムカメラを持ち歩いているんですね。どこかの映像でフィルムカメラで撮影しているのを見たので、普段はどうなんだろうと思っていました。
そうですね、遊びに行くときも、仕事をするときも、普段から持ち歩いてるのですが、もちろんスマートフォンで撮ることもあるのですが、「今だ!」と思ったときは、フィルムカメラで撮ることが多いです。自然な姿を撮るために。
フィルムを扱うときは、大きく分けて2つのタイプに分かれますね。すぐに現像するか、重ねておくか。アサヒさんはどうですか?
僕はフィルムを使い終わったら、すぐに現像に出すほうですね。今も現像してないフィルムはないんですけど、その時間がすごく楽しいです。どうなるかを待つ時間は、いつか自分でこうやって (写真現像の真似をして) 自分で写真を現像してみたいという気持ちもあります。そういう場所と時間があれば、いつかぜひチャレンジしてみたいですね。
カメラにたった一つのシーンを残すとしたら、どんな瞬間を残したいですか?
それなら、家族、メンバー、大切な人たちを一日に集めてもらって、一枚に収める、みんなで笑顔で。
アサヒさんが撮ったら、アサヒさんは写ってないじゃないですか。
でもいいんです、僕が撮ったことを自分が知ってるから。僕の好きな人、大切な人が写ってれば、僕はまあ、鏡でいつも自分を見てるので。
ドヨン DOYOUNG
優しい演奏が好きで、ドビュッシーが好きですね。悲しい時に聴くクラシックの曲があれば?
クラシックが好きでよくピアノを弾くのですが、実は最近では悲しい時や辛い時はウェイトトレーニングをしてます。悲しい時や辛くない時もやります。2~3ヶ月前から始めたのですが、とても楽しいです。
ウェイトを上げているんですね?
そうです。ウエイトにハマってます。僕はもう二十二歳なんですけど、高校生の時にデビューしてどんどん大人になっていくので、もう少し変化をつけたいと思って、思い切ってウエイトを始めてみました。昨日はデッドリフトをしました。
どんなに運動が好きな人でも、いざジムに行くまでの道のりは大変だそうです。
むしろ行きたいです。行けないのが悔しいです。行くことで確実に体が良くなって、精神もスッキリして晴れやかな気分になります。これから続けていかなければならない必須要素になったと思います。ドーピングという枠組みがあるなら、その枠組みが崩れないように運動をしながら守ってる感じです。
ドヨンという枠から一片を取り出すとしたら、その一片はどのような形ですか?
ファンの皆さんはほとんどご存知だと思うんですけど、僕は小学生の頃、ちょっと転々としていて、多くの場所を転々としていて。それで、バスケットボールやダンスを習おうかと思ってたら、ちょうど家の近くにダンススクールがあったので、ダンスを習い始めたのがきっかけで、ジュンギュ兄さんにも会い、オーディションも受けて、今のTREASUREになりましたね。僕もまだ自分自身を知る途中なんですけど、一つだけ言えるのは、川の流れのように流れていく人なんだと思います。ただ、そうやって流れていく中で、チャンスが来たら掴むしかないですね。
ハルト HARUTO
ハルトの物語を込めて作品を作るとしたら、そのジャンルとタイトルは何が似合うでしょうか?
僕に似た作品、僕に似た作品。(じっくりと考える) あ~、それは難しいですね。
じっくり考えるところがいいですね。なんで難しいんですか?
自分の人生を映画に例えるには、そんな映画がないような気がして。僕は幸運な人だと思います。YGに入ったのも、母が僕に内緒でオーディションに(応募書を)送ってくれたからだし、もともとボーカルポジションで始めたのにラップをするようになったのも、会社の人がラップを一度やってみたらどうかと勧めてくれたからで、70パーセントはダウンだと思ったので、あっ!「イエスマン」にします。何かをやるときはほとんど「イエス」と言いますし、実際にやってみないと自分に合うか合わないかわからないじゃないですか。だから、一度やってみたからこそ 「イエスマン」がいいんです。
本当は「似てる」作品ではなく、自分の物語を作品にしたらどうなるかを想像してみるつもりだったのですが、さすがに「イエスマン」と合いますね。とりあえずやってみる。
アハハハハハ!「込めた」だったんですね、ありがとうございます。
最近、また「イエス」を叫んだものがあれば?
茶色のジャケットを買ったのですが、もともと茶色がすごく好きで、黒のジャケットはよく見かけるけど茶色のジャケットはあまり見かけないのですが、たまたまあったので「これだ!」と即買いしました。実は、買い物や作業など、自分の興味や趣味はすぐにやってみるようにしてるのですが、本当に気に入った服があれば買って、その日にすごく作業したかったら寝ずに徹夜で作業することもあります。気に入った服を買わないとずっと思い出すし、作業をしないとビートや思いついた歌詞がずっと思い出すから。それならすぐにやったほうがいいから。デビューする前に「やるなら後悔しないようにしよう」という気持ちで、何事も後悔しないようにしようと思ってたし、今もそうしてます。
パク・ジョンウ PARK JEONG WOO
事前インタビューで「一人の平凡な人、パク・ジョンウの人生物語」と教えてくれたパク・ジョンウ的な作品の筋書きで、平凡とは何でしょうか?ありのままのパク・ジョンウはどんな人ですか?
幼い頃は、よく自分と他の人を比較したこともありました。でも、そう思えば思うほど、自分らしさを失ってしまうような気がして。実際、みんな違うじゃないですか。誰にでも長所があるし、少し足りないところもあるはずなのに。だから僕は、「もし僕が何かを成し遂げ、自分の夢が叶うなら、それは僕だけが特別だからではなく、みんなそうなることができるんだ」と思いました。
逆説的ですね。誰もが普通で、だから誰もが特別なんですね。
そうですね、だから僕は普通だから、特別だから実現したわけではないということを話したいんです。
普段の無表情であまり動じない反応が、チームの末っ子らしいというか、末っ子らしくないというか。
何かこういうのはあると思うんです。自分の感情に自分が巻き込まれることが多かったので、ある程度の基準というか、そこを押さえてやってるような気がします。落ち込みすぎず、盛り上がりすぎず、その合間に内なる歓喜を呼び起こす。
その中で、最近、内的な喜びを感じた瞬間があれば?
チームでメインボーカルを担当するようになって、それが僕にとって大きく感じられたこともあります。その重さ自体が一番好きで、人生でこれほど情熱を持ってできることが他にあるのかと思うのが歌なんですけど、思い通りにいかないことも多かったと思います。だから「死んだ」と思って毎日レッスンを受けて練習していたんです。そうしているうちに、自分がやりたい目標に少しずつ近づいていくのを感じたときが一番大きな達成感があったと思います。自分が本当に欲しくてやりたかったことにぶつかってみて、それがある程度叶ってると感じたとき、淡々としたふりをしてましたが、心の中では歓喜を歌ってました。誰にもわからないと思います。
ソ・ジョンファン SO JUNG HWAN
ラーメンにポテトチップスを入れて食べる、ソ・ジョンファン風オタク食は今でも楽しんでいますか?
あっ、いいえ。(笑) 当時は中学生でした。
それがもうそうなるんですか?
もう4年くらい経ってるから。
当時、ジョンファンさんは自分を楽しませる方法をよく知っているように見えましたが、今はどうですか?
そうですね、当時は例えば偏食をして一人で楽しみを得ようとしてたのに対して、今は人から、メンバーから、ファンから、良い影響を受けて一緒に笑えるようになったのがいいですね。
昨春の卒業もおめでとうございます。物理的な卒業式だけでなく、実際に卒業したことがあれば?
これはまだ進行中なんですけど、昼寝を極力しないようにしてます。
決意するくらいですか?
時間がもったいないんです。最近も午後6時にちょっと目を覚まそうと思って寝たら、起きたら午前6時だったんですよ。実話です。びっくりしましたね、急に時間が消滅したんですから。あまりにもったいないので、ずっと記憶に残ってます。
もし、その想いを込めて作品を作るとしたら、どんなジャンル、タイトルは何がいいですか?
コメディ、コメディ映画のように、笑えるように、楽しく暮らしたいというのがずっと願いでした。今の自分の人生がコメディというよりは、これからそうなってほしいという願いを込めて、コメディのジャンルがいいと思います。タイトルは、今はつけません。
なんで鼻で笑うんですか。(笑) 恥ずかしすぎる質問ですか?
いや、恥ずかしいというより、まだタイトルをつけるほどではないと思うので。どう描くか、今は空白にしておきますね。